桃農家の年収はどのくらい?4年目、桃の収入

今年はコロナの影響がどのように桃の収入に響くのか気になるところでしたが、果たして売上はどうなったのでしょうか?

目次

穿孔細菌病で福島県の桃の生産量は例年の7割

テレビのニュースで拝見したのですが、福島県の桃の生産量は例年の7割だったそうです。

これは穿孔細菌病(せんこうさいきんびょう)という、桃の葉や果実に褐色の孔(あな)が空く病気の被害によるものでした。

幸いなことに自園の生産量は昨年と変わりませんでした。防除を丁寧に行なってきてよかったです。

果樹園年目の目標と結果

  • サンピーチを出荷する・・・達成ならず。
  • 果樹園の若返りを図る・・・達成!
  • 消毒散布の回数を減らす・・・達成ならず。

サンピーチというのは、JA福島で取り扱っている桃の最高ランクの桃で、味、見た目、甘さが特秀品よりも優れている桃のことをいいます。

コンテナ3箱から搬入を受け付けているのですが、残念ながら基準が厳しくて自家選別の段階で数が揃いませんでした。

川中島白桃
赤く色づき、形がよく、葉の跡が無いものを選ぶ。有袋栽培の川中島白桃は直接果実に葉が接触することが少ないので葉跡はあまりない。
葉の跡
↑果実に接触していた葉の跡。

収穫の2日〜3日前に果実に接触している葉をとることで葉跡はつかなくなります。

暑い中の作業は大変ですので無理のない程度に改善していこうと思います。

果樹園の若返りとは、生産量の落ちた桃の木を切って、若い桃の木を植えて育てていくことをいいます。

自園では10年程前から義父が新しい桃の苗木を植えていたので既に成木になっているものが多いです。枯れた桃の木が長い間放置されていたので、連作障害を防ぐため今年の2月に古い木の抜根を行い果樹園内をすっきりさせました。

抜根された桃の根
桃の木の抜根の様子

消毒散布の量を減らすというのは、農薬は身体に悪いというイメージから考えた目標ですが、農薬の知識が乏しい私にはハイレベルすぎて何から手をつけていいのか分からず行えませんまでした。

ただ、予期せずして減薬する擬似体験をする事ができました。

農薬が保存されている物置を整理していたら、使用期限がだいぶ前に切れた(中には10年以上前の袋が空いたままの)殺虫剤が出てきました。

使い切らないと勿体ないと思い今年の薬剤散布に使ったところ、例年より害虫の発生が多くなりました。

後で調べたら使用期限の切れた薬剤は効果が薄れるということです。

害虫が成虫になり卵を生むと翌年から大発生する危険がありますので、虫食いの実を水に5日以上浸し確実に処理をしました。

害虫が出た分のロスはざっと全体の6%くらいだったと見積もっています。

今年から私が全ての桃の木を管理させていただくことになり、摘蕾・摘花・摘果を丁寧に行った結果、形が悪かったり小さかったりする桃が減りジュース行きの桃の数が9割減りました。

ジュース行きの桃は1コンテナ400円で、製品として出荷できた桃に比べると二束三文の値段で取引されます。

<現在の桃の木の数>

6本の古い桃の木や食感がいまいちの桃の木を抜根しましたので、現在合計37本。

内、実をならせられる成木36本。まだ小さい木1本です。

災い転じて福となす!?個人の注文が入る

私の判断ミスで川中島白桃の収穫開始が2日ほど遅れるハプニングがありました。

食べるのが最高の味わいの熟して柔らかい桃は選果場に搬入しても規格外として落とされてしまい、収入にはつながりません。

この桃を親戚に配りましたら大変な好評で、そしてその親戚の方が近所に配ったらしく、近所の方から注文が入るという嬉しい出来事につながりました。

川中島白桃は本数も少なく数が揃わないので結局お断りすることになりましたが、私の桃づくりへの自信がついた嬉しい出来事になりました。

フェイスブックで好感触!モチベーションアップ

上記の内容をフェイスブックのグループ『農の会』に投稿させていただきましたら、なんと536人もの方からいいね!を頂き、たくさんのコメントも頂けました!モチベーションアップ&維持に繫がりました!有難い事です!

Facebookに投稿した桃の画像

桃農家の年収はどのくらい?年間桃づくりをしてみて

今回はお金の話ですが、オブラートに包まずに発表させていただこうと思います。

20アールで100万円の売上で、経費を引いた純利益が70万円というのが、4年間桃づくりをしてきてだいたいこのくらいかなと見えてきた桃農家の年収です。

昨年も同じくらいの収入でした。

桃の木を6本抜根して、害虫の被害も多かったにも関わらず収入が昨年と変わらなかったのは、ジュース行きの桃9割を製品レベルにまで引き上げたためです。

ここから家族で分け合って、それぞれ自由に使いました。

岐阜県旅行へ

夫婦で毎年の恒例となった桃の収入での旅行。

今年は岐阜県の白川郷、高山へ行ってきました。

白川郷
小雨の白川郷。

景色が美しく、食べ物も美味しい、人も優しい!今回もたくさんの楽しい思い出ができました。

岐阜県のお土産
岐阜県のお土産です。雑貨がオシャレでまた訪れたいです。

最後にこれからのこと

当園の場合は今のところ9割以上を農協さんに依存し収入を得ています。

これからは多様化の時代でもあると思うので、インターネットでの直接販売も視野に入れようと思います。

桃の糖度を16度まで上げるのを目標にしたいと思います。

今回はお金の話をオブラートに包まずにご紹介してみました。

参考になれば幸いです。

桃の収入。桃づくりは儲かるの?

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見習い3年目の桃の収入。