鉛筆と消しゴムで表現できる様々な調子

今回は鉛筆と消しゴムで表現できる様々な効果をご紹介させていただければと思います。

↑の素描(デッサン)は鉛筆と消しゴムで描きました。

これからご紹介する鉛筆と消しゴムで表現した効果がこの作品に盛り込まれています。

それではひとつひとつ解説していきます。

目次

直線の交差(ハッチング)

平行な線を引き重ねる事をハッチングと言います。ハッチングにより絵に重厚感が生まれます。デッサンから大作まで欠かせない表現方法です。

ハッチング

自由な線で

髪の毛や素早く形をとらえるクロッキーなどがあります。

自由な線

グラデーション

2Bの鉛筆で暗から明を描きました。暗は筆圧を少し加えて、重ねて塗っています。

陰や空、身近なところにグラデーションはあります。

グラデーション

フラットに塗る(3H)

3Hの鉛筆を寝かせて塗りました。3Bで塗ったのと同じ筆圧ですが、3Hの方が淡いです。

平塗り(3H)

フラットに塗る(3B)

3Bの鉛筆を寝かせて塗りました。3Hの鉛筆で塗ったのと同じ筆圧ですが3Bの方が濃いです。

平塗り(3B)

鉛筆の粉を擦る

真っ暗な背景は鉛筆の粉を紙に擦り込むと、鉛筆描いて暗くするよりも早く仕上がります。

私は陰にしたい部分を鉛筆で塗った後、ティッシュやガーゼで擦る”ぼかし”を普段から行っています。

鉛筆の粉

点々

石や地面、砂浜を描く時に使う事が多いです。

点々

線を下から上に弾く

線を下から上に弾きながら描くと草に見えます。

線を弾く

練りゴムで 

練りゴムを擦り付けて鉛筆の粉を取ると明るくて柔らかな調子になります。

調子とは、光と影によってできる明暗の変化、色の濃淡のことをいいます。

練りゴムで描く

プラスチック消しゴムで

プラスチック消しゴムの角で鉛筆の粉を取るとシャープな白が描けます。最も明るく見える部分(ハイライト)などを表現できます。

プラスチック消しゴムで消して白抜き

様々な効果を組み合わせて描く

3B、HBの鉛筆でスケッチブックに描きました。

上のスズメの素描(デッサン)にはハッチング、自由な線、グラデーション、フラットに塗る、さらに練りゴムとプラスチック消しゴムも使って描いています。

巨匠のデッサン

巨匠のデッサンをのせてみました。

鉛筆という基本画材からこのように素晴らしい作品が生まれます。

アメデーオ・モディリアーニ
高橋由一