鉛筆は画材の基本

絵を描くのには様々な画材がありますが、身近な画材である鉛筆は、簡単なスケッチから手のこんだ細密画まで表現できる自由度の高い画材です。

これから絵を学びたいけれど何からしてよいのか分からないという方は画材の基本である鉛筆から始めてみてはいかがでしょうか。

目次

おすすめの鉛筆

私がお勧めする鉛筆は三菱鉛筆のハイユニと、ステットラーのマルス ルモグラフで、絵の初心者からプロまで幅広く愛用されています。

私の個人的な使い心地はハイユニは芯が柔らかく滑らかな描き味、ステットラーは硬くシャープな描き味という感想です。

鉛筆のH、B、Fといった記号は芯の硬さや柔らかさを表しており、H(ハード・硬さ)、B(ブラック・黒さ)F(ファーム・しっかりした)という意味があります。

Hの数字が多いほど薄く硬い芯で、Bの数字が多いほど濃く柔らかい芯を示しており、FはHとHBの中間の硬さと濃さになっています。

自分が表現するのに近い鉛筆を選ぶ

絵を習い始めて暫くはどちらも使っていましたが、現在鉛筆画を描く際はハイユニで描くことが多いです。

デッサンでガラスやコンクリートなどの人工物はシャープな線を描きたい時はステッドラーを使ったりします。

鉛筆の削り方

カッターナイフが1本あれば鉛筆は問題なく削れますが、目の細かいサンドペーパーがあると便利です。

カッターナイフで芯を多く残して削り、削った後はサンドペーパーで芯を回転させながら研ぎ、芯先を尖らせます。

研いだときに出る粉はとっておいて絵を描くときに使えます。

鉛筆の使い方

細部を描く時は鉛筆の削り端から0.5mm〜1cmほどの位置をつまみ(文字を書くときと同じ位置とつまみ方)、描きます。

細部を描く時の掴み方

筆圧を強くすると紙の表面が凹んでしまい、消しゴムで消しにくく、再度鉛筆で描き直しても凹んだ部分が邪魔をして思う様に描けなくなってしまうので、強く描く場面は仕上げに近い時に留めたいです。

大きなスケッチを描く時は鉛筆の中程を軽く持ち、軽快に線を引きます。

描き始めは中程を持ち軽快に線を引く

広い部分を塗る時は、鉛筆を寝かせて芯の腹で描きます。

広い部分を塗る時は鉛筆を寝かせて描く

絵を描く時に自然な持ち方であれば問題ないですが、私の持ち方をご紹介させていただきました。参考になれば幸いです。

消しゴムは鉛筆に欠かせないパートナー

鉛筆で絵を描く際に消しゴムは欠かせない画材です。

線を消したりするのはもちろんですが、プラスチック消しゴムを使ってシャープに白抜きしてハイライトにしたり、練り消しを軽く押しつけて粉を取りグレーのグラデーションにするといったことができます。

鉛筆で絵を描く際には消しゴムも合わせて揃えておきましょう。

おすすめの消しゴム

絵を描くときに使う消しゴムには2種類あり、プラスチック消しゴムと練りゴムがあります。

プラスチック消しゴムは私たちが普段使っている身近な消しゴムです。

練りゴムは絵を描くときによく使用されている柔らかい消しゴムです。

絵の表現の幅を広げるためにはどちらの消しゴムも揃えておいた方が良いです。

私が使っているのは伊研の練りゴム、MONOのプラスチック消しゴムですが、他のメーカーのものでも快適に使用できるものはたくさんあるので、鉛筆の粉がよく取れるものを選びましょう。

練り消しや消しゴムの中には紙に黒い汚れが付いてしまうものもあり、絵を描くのには向いていないので避けましょう。

プラスチック消しゴムの使い方

広い部分を消す時は、消しゴムの広い面を紙に擦り付けて消します。

小さな部分を消す場合は、消しゴムの角を使います。プラスチック消しゴムに角がない場合はカッターで切り尖らせて使います。

私はプラスチック消しゴムはシャープな白を表現するときに使っています。

練りゴムの使い方

とても柔らかく、消しクズを出さずに消せます。

消したい部分に何度も押し付け、鉛筆の粉を取ります。

広い部分を消す時は、練り消しの広い部分を紙に擦り付けて消します。

小さな部分を消す場合は、練り消しを指で摘んで尖らせて使います。

練りゴムは柔らかな白を表現できます。

モチーフに淡い光が当たっている部分には練り消しを使った方が柔らかな表現になりやすいです。

ある程度使った練り消しは新しい練り消しに比べて鉛筆の粉を取る量が少なくなります。この練り消しをあえて使用し、微妙なグレーのグラデーションの幅を増やすことができます。

どのような紙に描けばよいのか

毎日の基礎練習として数分で描き終わるスケッチ(クロッキー)でしたらクロッキー帳やコピー用紙やチラシの裏に描いています。

ある程度じっくり描きたい場合は、紙に凹凸のあるスケッチブックに描いた方が鉛筆の表現の幅が広がります。

紙にはたくさんの種類があり、好みの紙に出会うまで試してみるとよいと思います。

私が鉛筆画を描く際に使用しているのはTMKポスターという紙です。スケッチブックに比べて凹凸は控えめで、丈夫な画面ですので、ある程度描き直しても紙が傷みにくいです。

まとめ

たくさん紹介させていただきましたが、鉛筆は始めは4B、2B、HB、F、2H、4Hの6本を用意すれば問題ないかなと思います。

消しゴムは練りゴムとプラスチック消しゴムの2種類を揃えましょう。

鉛筆を削るのにカッターナイフが一本あれば足りますが、やはりサンドペーパーもあると芯を素早く削れて便利です。