今年は雨が多く日照時間が少ないせいか、
- 核障害が多い
- 害虫の発生が多い
- 甘くない桃が出来上がるのでは?
という3つの心配事が発生しました。
目次
核障害とは?
核障害というのは、なんらかの原因で核(種)が正常に成長しなかったことをいいます。果実にも影響します。
核障害果の見分け方
核障害果は正常果に比べ実が膨らんでいたり、形がいびつだったりします。
剪定バサミで縫合線に沿って切ると、正常果は硬くなった種で刃が通らないのに対して、核障害果は種に亀裂が入っているためパックリ種ごと割れます。
核障害果は肥大すると自然に落下してしまったり、果実も柔らかくなりやすかったりするので、見つけたら取り除きます。
ですが核障害果が全て規格外になるというわけではなく、無事に収穫を迎え市場に出回る果実も少ないですがあります。
核障害の発生率65.0%!
平年より核障害の発生が多いそうです。
こんなに多くて、今年も昨年同様収穫数が少なくなるのかな?と予想していた私ですが、桃の達人と呼ばれる指導員さんのお話では、
「収穫の直前まで丁寧に障害果を取り除いていけば、最終着果量を減らさずに正常果でいい桃ができる。」
とおっしっていたので希望が持てました。
指導会で扱っていた木は15年生の働き盛り桃の木です。
家に帰ってさっそく実行しました。樹勢が弱かったり、樹齢が25年を超えた古い木では、核障害の発生率はさらに高かったです。何カ所か正常果を確保できない枝がありました。
害虫が多い
仕上摘果の段階では、平年通りだったのですが、修正摘果のこの時期になり、地域全体で害虫が多く発生しているとのことで、自園も例外ではありませんでした。
数年前に何処かの無防除園で大量に発生した害虫が年々広まり、今年になって私たちが桃づくりをしている地域にまで広がってきた。というお話もされていました。
害虫の対処方法
害虫は特に消毒の散布時期がとても大切で、時期がずれると十分な効果が得られないそうです。
達人の桃畑では桃の木が生き生きとしていて、病害虫の被害が見当たりませんでした。適切な時期に消毒散布を行なえば、病害虫の発生が抑えられ、散布の回数も減らすことができるんです。
何となく私の中のイメージでは、農協さんの指導会で「消毒の回数を減らす」という言葉を聞くのは意外でした。
「消毒の回数を減らす」まさに私が目指しているところです。
とはいえ、もっと経験を積まなければ、自園に適した散布時期の見極めは難しそうです。
本当は無農薬で作った桃の方が体にも良いのでしょうが、桃は病害虫に弱く大量に発生したら近隣の果樹農家さんにご迷惑がかかってしまいます。
他人に迷惑のかからない山奥でない限り、無農薬で桃づくりというのは難しいんだろうなと思います。
話がそれてしまいましたが、害虫の対処方法をご紹介します。農協の会員に入っていると、毎月消毒散布の日取りや使用する薬剤が書かれたお知らせが届きます。
その内容に従って、薬剤を希釈して散布していれば大丈夫とのことでした。
雨が多く日照時間が短いと桃が甘くならないのでは・・・という心配
今年は雨が多く1日中どんよりとした日が多い、梅雨らしい梅雨でしたから、今年の桃は甘くないんじゃ・・・という心配をしていました。
この心配事も達人の
「雨が多くて甘さが心配ですが、葉の枚数をきちんと確保すれば大丈夫。」
という言葉で、パーっと気分が晴れました。
葉の枚数の確保というのは、葉の枚数が40〜60枚につき1果(品種によって枚数が変わってくる)という、修正摘果の基本的な知識になります。
修正摘果の時に徒長枝も切っておこう
最後にもう1つ、しておいたほうかよい作業があります。
修正摘果の作業中、徒長枝で混み合っているところは、徒長枝の根元10㎝を残して切ります。混みすぎると桃に日光が当たらず色付きが悪くなりますし、徒長枝に栄養を取られてしまいます。かといって全てをがつがつ切ってしまうと木がびっくりして弱ってしまうかもしれませんので、地面にまんべんなく木漏れ日が落ちるくらいに徒長枝を剪定するのが適切です。
徒長枝(とちょうし)というのは、上に向かってまっすぐ勢いよく伸びた枝のことをいいます。
以上の修正摘果、消毒散布、徒長枝の剪定を実行しましたところ、今年、2019年は豊作、そして、高い特秀率に恵まれました。