根気のいる摘蕾。

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摘蕾(てきらい)

剪定(せんてい)の指導会、消毒の勉強会に引き続き、摘蕾(てきらい)の指導会に参加してきました。

見習い1年目の時にも摘蕾についてご紹介させていただきましたが、見習い2年目の今回はもう少し掘り下げた内容でご紹介させていただきたいと思います。1年目の摘蕾についての記事はこちらになります。

摘蕾とは、桃の木のエネルギーの浪費を防ぐために行う、花芽(はなめ)を取る作業のことをいいます。収穫まで繰り返す、着果調整(ちゃっかちょうせい。枝に付いた実を調整していく)作業の始まりでもあります。

花芽(はなめ)と葉芽(はめ)の説明

花芽は成長すると蕾になり、やがて花が咲き、そこに実がなります。

葉芽は成長すると葉が展開し、やがて枝になります。摘蕾の作業では葉芽は必ず残します。

葉芽と花芽の画像

↑自園の摘蕾前の桃の枝です。開花の1週間程前に撮影。

開花が近づくにつれ見分けがつきやすくなりました

丸みがあるのが花芽、やや細長で先端が尖っているのが葉芽になります。枝の先端は必ず葉芽があります。

もし、ない場合は害虫か病害により枯れてしまっています。

摘蕾の作業に適した時期

指導会によると私の住んでいる地域では3月上旬から発芽直前までが適期だそうです。

発芽(はつが)とは葉芽から葉が出てくることで、発芽の予測日は農協さんから教えていただけました。

自園の場合、剪定が終わったのが発芽予測日の3、4日前なので、農協さんがアドバイスしてくださった適期からすると遅れたスタートになりました。

摘蕾の程度

摘蕾の資料

↑指導会でいただいた資料を抜粋した画像です。

結果枝(けっかし)の長さと品種に応じて蕾を取る量も変わってくるようです。

結果枝(けっかし)の種類

結果枝とは実が付く枝のことをいいます。長さに応じて呼び名があります。

  • 花束状短果枝・・・長さが5cm以下の枝。花束状短果枝のほとんどは先端にしか葉芽が付いておらず、そのわりに花芽がたくさん付いています。
  • 短果枝・・・長さが5〜15cmの枝。
  • 中果枝・・・長さが15〜30cmの枝。
  • 長果枝・・・長さが30〜50cmの枝。
  • 長大長果枝・・・長さが50cm以上の枝。

↓自園の桃の木から探してみました。

結果枝の種類

樹勢(じゅせい)の判断基準

樹勢とは木の生育状態のことをいい、目安として弱勢は80%、適勢は60〜70%、強勢は50%〜60%程度の摘蕾を行います。

そもそも樹勢の判断の仕方が分からないのです・・・(泣)

樹勢の判断の仕方については指導会では触れていなかったので、桃づくりの本を参考にさせていただきました。

樹勢を判断する要素はいくつかあるのですが、”結果枝の発生割合による診断”というのが私には理解しやすかったのでこれを参考にすることにしました。

短果枝の割合が70〜75%、中・長果枝の割合が25〜30%程度で適勢の樹勢

これはあかつきという品種の場合ですが、同じく自園で育てている暁星という品種にもあてはまります。

これらを照らし合わせたら、自園の桃の木は樹齢25年以上の古い木は全て弱勢、10年目くらいまでの若い木は強勢、それ以外の主力の成木がだいたい適勢ということがわかりました。

花芽を残す位置

花芽を残す位置はそれぞれの桃農家さんで違っているようです。

義父母は指導会と違うので、初めて摘蕾をしたときは戸惑いました。

テレビの夕方のニュースで紹介されていた、となりの地区の桃農家さんも義父母と同じで枝の先端部に花芽を残していました。

枝の先端部は養分がたくさん届き、良い桃ができるそうで、木全体の果実の大きさはバラバラになるそうです。

資料の方法のように中程に実が付くと、養分が等分され、果実品質が安定し大きさも揃うので、収穫時の選別の作業能率がよくなるそうです。

私は資料の方法で作業を進める事にしました。

義母が先端部に実をつけた方法で摘蕾を行っていて、生育状況を実際に見比べて学習したいと思ったからです。

摘蕾は根気のいる作業でした。

以上の内容を踏まえ、実践にとりかかりました。作業時間は1本あたり平均4時間と、かなり根気のいる作業でした。

しかし妥協せずにやり切ったおかげで、エネルギーの浪費も防げますし、このあとに続く摘花、摘果という作業はとても楽になりました。

強勢の摘蕾後

↑樹勢が強い木の剪定・摘蕾済みの画像。

専門的で難しい内容でしたが、最後まで読んでくださり、誠にありがとうございました!