桃畑の存続が決まったものの具体的に何をして良いのかわからず何もせずに数ヶ月がすぎました。
年が明けて2月に入り、義母から
「剪定が進んでいない」
「剪定をしないと摘蕾がすごく大変」
と聞き、にわかにやるべきことが明確になってきました。
そもそも剪定・摘蕾って何でしょうか?
目次
近くの書店で桃づくりの本を購入
私は地元の書店へ行き、桃づくりの本を購入して剪定の勉強をする事から始めました。
何冊かあった桃づくりの本の中から、より専門的で詳しく書かれた”モモの作業便利帳”を選びました。

専門用語が多く、初心者の私には難しかったですが、専門用語はインターネットで検索すればすぐに意味がわかりました。
剪定と摘蕾を行なわないとこうなる

この画像は、まだ果物は食べるのが専門だった私が満開の桃の花を見て感動し、写真に収めておいたものです。
これは剪定と摘蕾(花のつぼみを落とす作業)が終わっていない桃の木が開花を迎えたもので、桃をつくる上では、蓄えていた養分を余計に使ってしまうので良くないことなのだそうです。
このうちの2本は翌年に枯れてしまいました。
元気がなくなり、葉も実もあまりつかなくなってしまった木もありました。
そのようなことで、この重要な剪定と摘蕾の作業を桃が開花する4月までに行わなければなりません。
剪定(せんてい)とは
剪定(せんてい)とは
- 作業性の向上をはかる・・・全ての枝に手が届くように、隣り合った枝の間は身体1つ入るスペースをつくる
- 日当りをよくする・・・葉が広がっている状態をイメージしながら日光が全体に当たるようにする。
- 消毒散布しやすくする・・・消毒を効率良く掛けられるように、枝同士を密着させないようにする。
を目的に、枝を切って樹木の形を整えることをいいます。
そして、ただ一人剪定ができる義父が満足に身体を動かせない状態なので、教えてもらいながら剪定を進める事になりました。しかし、毎日畑に出てきて教えていただく事ができないため、とても開花まで剪定が終わるペースではありませんでした。
3月に入り、晴れた日に毎日2〜3時間、剪定を進めました。
私は義父に教えてもらいながら最初に2、3本剪定をし、そのあとは自分1人で古い木(あまり桃が穫れなくなって、数年のうちに切る予定の木)を剪定させてもらいました。
3月の最終週に剪定が終わらぬまま最初の消毒散布が始まりました。
そして3月末に剪定が終了。すぐに摘蕾を開始しました。
摘蕾(てきらい)とは
摘蕾(てきらい)とは、木全体の50%〜80%の蕾を落とす作業の事をいいます。この作業により、花を咲かせるのに使うエネルギーがたくさん使われるのを防ぎ、より大きい桃ができることに繋がるそうです。

私が剪定、摘蕾をした桃の枝の画像です。
この頃から本やインターネットに書いてある事と義父母の作業のやり方が少し違うところがあるのに気づき、気になりましたが、果樹農家によってそれぞれやり方があるのだろうと思い、義父母のやり方を優先することにしました。
4月上旬、摘蕾の終わった早生種(わせしゅ:収穫時期が早い品種)が開花。追われるように、中生種(ちゅうせいしゅ:早生種の次に収穫を迎える品種)の摘蕾も終わり、時を同じくして開花しました。なんとかギリギリで終わりました。
「今年は開花前に剪定と摘蕾できてよかった!ありがとうね」
と義母に言っていただけて、非常に嬉しく思いました。終わった事にほっとし、達成感もありました。
ご近所のおばあちゃんが1人で剪定している私を見て
「あんだ、剪定できんの!?」
と驚いていました(笑)。
枝の切り過ぎで失敗するより、枝を多めに残しておいたほうがあとで調整できると自己判断して剪定したので、義父の指示のもと剪定した木に比べると、私の剪定した木は枝が多い印象です。
これから桃の葉がどう展開していくのか観察することにしました。
追記:夏になって葉が茂った状態になると、枝葉が混み合っているところがいくつかあり、日光がまんべんなく当たらず桃の色付きが悪かったです。
農協さんの指導会でコツを解りやすく教えてくださったので、2年目の剪定で実践したいと思います。