農協の指導員さんに教わった剪定のコツ

剪定に必要な道具

剪定で使用した道具は、太い枝を切るノコギリと細い枝を切る剪定バサミの2つです。これらをベルトに引っ掛けて携帯します。

農協の指導員さんに教わった剪定のコツ

12月、農協主催の剪定の説明会に参加して来ました。

今回農協の指導員さんが実践で剪定した木は、おそらく樹齢20年以上はある古い木でした。

桃の木の寿命は20年から30年といわれています。私が桃づくりを始めて間もないことを知った指導員さんが教えてくださったことは、

  1. 側枝(そくし)と側枝の間は身体が入るくらい。
  2. 枝先に養分が行くように、途中の強い枝は切る。
  3. 桃の葉状に剪定する。
  4. 枯れている枝、病気の枝は切る。
  5. 更新枝は何年かかけて大きくしていく。

他にもためになるであろう説明もされていたと思うのですが、今の私に理解できたのはこれだけでした。

  1. 側枝(そくし)とは、一番太い幹(主枝)から直接枝分かれした枝(亜主枝)から出るわき枝のことをいいます。今は葉がない状態なので閑散とした見た目ですが、新緑の季節以降は枝葉が展開し見違えるほど茂ります。その側枝の間を縫って作業をすることを考えると、身体1つ入るくらいのスペースをつくっておくと、葉の展開後でも作業がしやすくなります。
  2. 私たちヒトの身体の内部では血液が循環し末端の手足の隅々にまで水分や養分を運んでくれていますが、桃の木の内側でも樹液が流れて水分や養分を末端の枝まで運んでくれています。樹液は太い枝や勢いのある若い枝に流れやすいという特徴を持っているので、木の要となる大事な主枝(しゅし)と亜主枝(あしゅし)の枝先までに樹液をスムーズに運んでもらために、途中にある主枝・亜主枝を負かす勢いのある側枝を切除します。側枝が主枝より太くなっても主枝がすぐに弱ることはありませんが、年々側枝に養分を奪われ細くなっていきやがては枯れてしまう運命にあります。側枝が成長して主枝に取って代わると複雑な骨格になってしまい、剪定が難しくなったり、樹液の流れが滞りその枝も弱っていくことがあります。
  3. 桃の葉がどのような形をしているかご存知でしょうか?下の9月中旬に撮影した画像で答えがわかるのですが、長細い形をしています。葉をよく観察してみると、中央にまっすぐ伸びる主脈があり、主脈から横へ側脈が伸びています。剪定はこの桃の葉の形になるように主枝・亜主枝・側枝を整えていきます。
  4. 枯れている枝はもう復活しないので、切除します。病気の枝は先端が少し枯れていたり、枝の側面が茶色や黒に変色しているので、こちらも見付け次第切除します。
  5. 弱った枝の先端は垂れ下がってくるので、樹勢を維持するために更新木をつくります。直径1cmくらいの弱った枝でしたらその場で同じ枝から出ている上向きに伸びた枝(更新木)を残し切り戻すのですが、太い枝になると切り口の断面の面積が広くなりそこから細菌が入りやすくなります。そのリスクを減らすため、何年かかけて更新木を太く成長させ、弱った枝はさらに細くなっていくので、更新木の太さが弱った枝を上回ったら、弱い枝のほうを切除します。更新木を成長させたいときは、更新したい枝に付いている花芽を全て落とし葉芽だけ残すようにします。

葉芽・花芽について書かれた記事はこちらになります。

家に帰って、すぐに同じように樹齢20年以上の桃の木を剪定しました。

剪定前2年目

↑上は剪定前の画像です。↓下は剪定後の画像です。

剪定後2年目

かなりすっきりしました。

去年は切りすぎる失敗を恐れて枝をできるだけ残しましたが、葉が生い茂りすぎて桃の色付きが悪かったように思います。

今年は指導員さんに教えていただいた事を忠実に実行して思い切ってすっきりさせました。

すっきり整理させることが桃の木に良い事なのだと信じて。

↓そして9ヶ月後の9月中旬、枝葉が成長し切った状態の画像です。

剪定が適度だった桃の木

全体に日光が行き渡り、新しく伸びた枝葉も余裕を持って展開できています。安定して大きく品質の良い桃が収穫できました。

剪定は12月~3月まで雪の積もっていない晴れた日に、1~2時間ずつ剪定を進めて行きました。

植えて6年目くらいまでの若い木は剪定を間違えると今後の枝の骨格づくりに大きく影響するので、拙い私が剪定するという度胸はなく、暁星の若い木を1本だけ残していただいて、あとの24本は義父がしてくださいました。

義父が剪定した(正確には、義父が口頭で教えながら義母が剪定した)木をお手本に、本で学んだことも頭に入れながら、暁星の若い木1本を私なりに剪定をしました。古めの成木の剪定よりとても気を使いました。

私が剪定したのは20年目以降の古めの成木を20本と10年未満の若い木を1本の、計21本でした。去年より早い時期から始めたことと、少し作業に慣れたことで、去年の剪定のときより多い本数をこなせました。

義父母が剪定したのは10年目くらいまでの若い木を24本でした。義父母は3月に入ってから剪定を始めてこの本数なので、まだ木が小さいとはいえ、やっぱり作業が早いです。

昨年よりも5日早く剪定が終了しました。

3月22日でした。

明日は今シーズン最初の消毒です。