着果調整の違いで明暗が分かれた収穫

あかつきの修正摘果のときに感じた、ただならぬ不安は現実のものとなり、例年と同じやり方で育ててきたあかつきは、桃の大きさが規定を満たさず7割がロスになるという、悲劇的な結果になりました。

目次

放射性物質検査

2018年7月10日、出荷前に検査をしてもらうため、桃を提出してきました。義母が、この検査は東日本大震災の年から始まったということを教えて下さいました。

自園では震災があった年から検査をクリアしていたそうで、今年も検出されなかったと通知をいただいたので、いよいよ明日から桃の搬入の始まりです。

今年の傾向

今年は6〜7月の降水量が観測史上最低を記録し、水不足で果肉が肥大せず、地域全体で小玉傾向でした。

干ばつだからといって悪いことばかりではなく、晴れの日が多かったということは、糖度が高くなりやすいとこでもあります。

高品質の証である特秀品の糖度の基準は12度以上なのですが、今年のあかつきは100%、暁星は99.4%と、かなりの高確率で基準を満たしました。暁星の糖度12度に満たなかった桃もすべて11度と、次に品質がよい秀品になりました。

私は桃づくりを始めた去年からのデータしか手元にないので、昨年との比較になりますが、昨年はあかつきの糖度12度以上が79.7%、暁星は99.5%でしたので、購入者目線で申し上げますと、”甘い桃”の割合が多い、いわゆるハズレの少ない年だったと言えそうです。

目標は特秀率40%以上

今年はスーパーの総菜や冷凍食品を積極的に利用し、朝の家事の負担を減らしたので、日の出とともに収穫を開始することができました。

地色と赤みに注意して適期を迎えた実を収穫していくのですが、この見極めが大変で、根気強く1つ1つ丁寧に観察してから収穫しました。

2018年暁星選果表

↑選果場で光センサーで選別した結果を書面にして、各農家さんが受け取れるようになっています。

この選果表をみて、自分が収穫した桃は適期だったこと、自家選別した桃は見逃しが少なかったことが確認できたので、自分の中で大きな自信につながりました。

暁星の初日は特秀率が61.1%とかなり高め水準となりました。18日も58.8%と目標を余裕でクリアできました!

他の日は全ての桃と合わせたデータになりますが、平均値は44.5%で、暁星全体でも目標の40%はクリアしていました。

 

7月21日、収穫開始から1週間、あっという間に暁星の収穫は終わりました。

22日に消毒散布を行い、23日にあかつきの搬入が始まりました。

2018年あかつき選果表1

↑あかつき搬入初日の選別結果です。

あかつきの初日の特秀率が29.6%と目標をかなり下回ってしまいました。糖度は全て12度を上回っているのに、着色度が低くて特秀を逃してしまっています。

特秀品は秀品の約1.5倍の値段で売れるので、何とか品質を上げたいというのが心情です。

日にちを置いて赤くなるまで待てたらよいのですが、あくまで収穫の適期は桃の側面中央の地の色が白色から黄色の状態です。赤くなるまで待っていると適期を逃して実が柔らかくなってしまうリスクが高まります。柔らかい桃はロスになってしまいますので、赤みがたりなくても、硬さを保ったまま秀や赤秀として商品になってくれたほうが、収入に繋がります。

2018年あかつき選果表2

↑8月1日と収穫最終日の選別結果です。

途中経過の8月1日は16.7%に落ち込み、最終日に至っては、10%を割り込んでしまいました。

 

暁星の時と気候条件は同じなのに、何故こんなにも着色度が低いのか??

 

原因を義父に伺ったら、まだ桃が成長し切ってないから色が付きづらいとおっしゃっていました。つまり、水不足で桃が成長しきれなかったため色付きが悪くなったということでしょうか・・・。

義母は私と違い、実を上向きにもならせていたのですが、赤みは私のつくった桃と比べて多かったように思います。ただ、日光と雨が直接あたるので、日焼けや傷でロスになるものもありました。

桃づくり見習い2年目、気づいた問題点は、

  1. 桃が小さい
  2. 色付きが悪い

これらを克服するにあたり、私が思いつく改善策は、今までの作業に加えて、

  1. 灌水を行う。(農業用水を引いてないので、水道水を使用する。)
  2. 銀シートによる日光の反射が届きづらそうな場所は、直射日光が届くように枝を吊り上げる。

です。桃づくり見習い3年目になる来年は、この2点を試していこうと思います。

着果調整の違いで明暗が別れました

例年通りの桃づくりを行なった義母のあかつきは大きさが足らず7割がロスになりました。例年通りだと問題なかった着果量(実をならせる量)が、干ばつのせいで今年は通用しなかったということになります。

一方、農協さんの指導を忠実に実行してきたほうのあかつきは7本は、何とか規格の大きさに滑り込み7割の桃が商品として巣立ってくれました。

義母はだいぶ落ち込んでいて、

「来年からは知恵ちゃんが桃づくり全般がんばって」

とおっしゃっていました。

今は家族分担で桃運営が成り立っていますが、徐々に自分ができる本数を増やし、見習い期間5年で独り立ちするのが目標です。