5月10日、害虫防除のためコンフューザーMMを桃の木の枝に取り付けました。
目次
コンフューザーとは?
コンフューザーMMとは桃の害虫防除に使われる性フェロモン剤(交信かく乱剤)です。
性フェロモン剤(交信かく乱剤)とは?
性フェロモンはメスが発している匂いなのですが、本来ですとメスの発した僅かな匂いでオスは迷わずメスに辿り着きます。
そこで人工的に合成した性フェロモンを果樹園に大量に充満させると、オスはどれが本物のメスの匂いか分からず迷い、メスまで辿り着けなくなります。その結果交尾が行なわれず、次世代の害虫が発生しなくなります。
もともと自然界にあるフェロモン(匂い)なので、環境にもやさしく、消毒の削減にもなります。
コンフューザーMMの取り付け方
果樹園全体にフェロモンが行き渡るようできるだけ均等に取り付けます。具体的には成木3本、植え付け3年目くらいの若木2本の割合で、目通りの高さに取り付けました。
↑上の画像は実際に枝に取り付けている様子です。匂いが手に付くので直接肌に触れないようにゴム手袋をはめて作業しました。
初めての取り付け作業でも簡単にできました。
取り付け作業が終わった後にコンフューザーについて調べたのですが、自園のような20アールくらいまでの小規模な果樹園は十分な効果が得にくいため、果樹園周辺の木にも取り付けたほうがよい事がわかりました。
来年からは果樹園周辺の防風林にも取り付けようと思います。
コンフューザーの取り外し時期についてですが、効果の継続期間は約4ヶ月とのことですが、特に急いで取り外す必要がないようで、自園では1年くらい付けたままにしています。
こんな害虫から防除できます
モモハモグリガ、モモシンクイガ、ナシヒメシンクイの防除に効果があります。
消毒散布と併用して害虫防除に努めていますが、100%防除するというのは難しいようで、設置から1ヶ月程が経過したある日、自園でモモハモグリガとナシヒメシンクイの被害にあった葉や果実を発見しました。
ここから下は害虫の画像がありますので、虫が苦手な方はお避けください。
モモハモグリガ
上の画像はモモハモグリガの幼虫が通った跡と、繭(まゆ)です。
農協の指導員さんのお話によりますと、成虫は葉の表面に小さな白い卵を1つ産みつけ、ふ化した幼虫は葉に潜り食べ進んで、時期が来ると表面に出て繭を作るそうです。
ナシヒメシンクイ
モモシンクイガの幼虫も実に潜り込むという点でナシヒメシンクイの幼虫と一緒なのですが、ナシヒメシンクイの場合、食べかすが実の表面に出てくるのでそこが見分けるポイントです。
自園ではモモシンクイガの被害果は見当たりませんでした。
今年も順調な生育状況
今回は桃の木につく害虫に焦点を当てご紹介させて頂きましたが、収穫に影響が出る程の被害は出ていません。
他の地区ではモモハモグリガが多く発生した園もあると伺っております。
収穫が始まるまであと1ヶ月と少し。最後まで気が抜けません!