桃栽培を始めて5年目に入りました。
家族や周りの皆様に支えられ、続けられていることに感謝しています。
摘蕾の仕方は見習い2年目の記事で詳しくご紹介させていただきましたが、新たにご紹介させていただきたい内容が増えましたので記事にさせていただきました。
ご参考になれれば幸いです。
目次
摘蕾(てきらい)とは
摘蕾とは、桃の木のエネルギーの浪費を防ぐために行う花の蕾(花芽)を取る作業のことをいいます。
良質の桃をつくるための大事な作業の1つです。
花芽(はなめ)と葉芽(はめ)の説明
花芽は成長すると蕾になり、花が咲き、そこに実がなります。
葉芽は成長すると葉が展開し、新しい枝が伸びます。摘蕾の作業では葉芽は必ず残します。

摘蕾の適期
摘蕾の適期は自園のある福島市ですと3月上旬から発芽直前までとされています。
発芽とは葉芽から芽が出てくることを言います。
摘蕾は始める時期が早いとまだ葉芽と花芽が小さく判別に時間がかかり作業の効率が良くありませんが、私は2月に剪定が終わるとすぐに摘蕾を始めています。
暁星・あかつきの摘蕾
暁星、あかつきは自家結実でき実がなりやすい品種ですので、花芽を7割から8割落とします。
摘蕾の程度や残す位置は指導会や桃づくりの本を参考にさせていただいております。

5cm以下の枝には位置のよい花芽(実が大きくなった場面を想像して、他の枝に接触しない花芽)を1個残します。
50cm以上の枝には葉芽1個にたいして花芽を1個残します。
暁星・あかつきの花芽を残す位置
花芽を残す位置は農家さんによって様々ですが、自園では枝の上に付いている花芽は取り、下や側面に花芽を残しています。しっかりした蕾を優先して残します。葉が展開しやすいイメージをしています。






川中島白桃の摘蕾
川中島白桃は花粉がなく、人工授粉をしないと実がならない品種です。
近くに花粉の豊富な品種の桃の木(あかつき、白鳳など)を植えていますと気象条件がよい場合自然に実がなりますが、確実に結実させるために自園では人工授粉を行う前提で、50%〜60%の摘蕾を行っています。
具体的には、15cm以上の枝は先端部と基部の花芽を全て落とし、上に付いている花芽も落とします。
15cm以下の枝は基部と先端の上の花芽を落とします。
川中島白桃の花芽を残す位置
暁星・あかつきと同様、しっかりした花芽を優先して残します。




果柄部は剪定ハサミで切る
昨年実がなった部分に付いている果柄部はこのままにしておくと今年成った実に接触して傷つけてしまうことがあるので剪定ハサミで切ります。
収穫した桃がロスになるのを事前に回避し、より等級の高い桃を目指します。

黒く枯れた枝先は枝ごと切除する
摘蕾をしていると、たまに先が黒くなって葉芽が枯れて無くなっている枝を見かけます。
穿孔細菌病の被害にあった可能性が高いので、枝ごと切り取り、切り取った枝は園の外に持ち出して感染が広がるのを防ぎます。




近くに正常な枝がなかったり、主枝、亜主枝の先が穿孔細菌病の被害にあっている場合は下芽の少し上を剪定ハサミで切ります。
桃づくり5年目の今年は、自園のある福島市では観測開始以来最も早く桜が開花し、桃の花の開花も予想日より5日早かったです。
終わるかどうか焦りましたが、旦那さんとお義母さんが手伝ってくださったお陰で何とか終わらせることができました。