桃の摘花(てきか)の仕方

旦那さんとお義母さんが手伝ってくださったお陰で今年も開花前に摘蕾が終わりましたが、きっちり摘蕾したつもりでも、やはり見逃してしまう枝がちらほらあります。

花が咲く前に花芽や蕾を取る作業は摘蕾(てきらい)、花が咲いてからは摘花(てきか)に呼び名が変わります。

目次

摘花(てきか)とは

花を取る作業を摘花と言います。

摘花は摘蕾(てきらい)の補助作業で、摘蕾が終わらなかったり、見逃した場合に行います。

摘蕾を見逃して密に咲いた桃の花
摘蕾を見逃したところは花が密に咲いています。

摘蕾よりエネルギー消費を防ぐ効果は劣りますが、蕾と葉芽の区別がつくので見逃しが少ないのが良いところです。

摘花の程度

摘花の程度は摘蕾と全く同じで、暁星(ぎょうせい)・あかつきは70〜80%、花粉の無い川中島白桃は人工授粉を行う場合に50〜60%の花を落とします。

桃の摘蕾・摘花の程度
暁星、あかつきの摘花の程度は摘蕾と全く同じ
川中島白桃の摘花は50%程度
摘花後の川中島白桃。私の癖で花が少なめですが、桃づくりの本では50%の摘花を推奨しています。

桃の摘蕾の仕方はこちらの記事で紹介しています。

摘花は摘蕾と作業が同じで、ご紹介できる事が無くなりましたので、ここからは開花した後の被害と対策をご紹介させていただければと思います。

鳥害

桃の花を食べる鳥

毎年のことですが、鳥が摘花した後の貴重な花を食べてしまいます。

桃栽培を始めて間もない頃は、ハラハラしながら眺めるしかありませんでしたが、収穫量を左右するまでの被害にならないことが分かってからは微笑ましく見れるようになりました。

雄花についてるこれ何だろう?

稀に雄しべに花びらの様なものが付いているのがあるのですが、何だかご存知ですか?

ツイッターで呟きましたら、教えてくださった方がおりました。有り難いです(*^^*)

これは旗弁(きべん)といって、雄しべが少しだけ花弁に変化する現象で、雄しべと花弁は植物の生理的に近いもの同士なのでこういう事が起きやすいそうです。

稀に桃の花についている旗弁

霜害にあった桃の花

人工授粉をしていましたら、一部の桃の花びらが茶色になっていることに気が付きました。

後で知ったのですが、これは霜の被害によるものでした。

今年は開花後に0〜5℃の低温の日が続き、霜が2、3回降りました。

桃づくりの本を読んで−2℃以下になると凍害が起こる事は知っていたのですが、霜が降りてもマイナスにならなければ大丈夫と気楽に考えていました。

低温、霜が降りて茶色になった桃の花びら

凍霜害の対策方法

今後同じ様な事が起きた場合の対策を考えておきたいと思います。

凍霜害の対策には、

・果樹園の地面で燃料を燃やして気温が下がらない様にする方法

・アイスガードと呼ばれる農薬を使用し、凍霜害を軽減する方法

があります。

防霜用燃料
倉庫を整理していた時に見つけた防霜用燃料
防霜用燃料の使い方
果樹園の地面に置いて点火し、果樹園全体を暖かくして凍霜害になるのを防ぎます

今後同じようなことがありましたらこの2つの対策を併用しようと思います。

義父曰く、昔は霜対策でタイヤを燃やしていて、煙が街の方まで流れて機械が故障するなどの問題が起きたので規制がかかり、今は霜対策用の燃料を使う様になったのだそうです。

観測史上最も早い開花

昨年も例年より早い開花でしたが、今年はさらに開花が早く、観測史上最も早い開花となりました。

開花が早いと遅霜に注意をしろというのは、農家さんの間では常識のようです。

霜害にあった花のその後の様子

霜害にあった桃の花は実ができる事なく、花殻になりました。

霜害で結実しなかった花殻
実が全く付いていない枝

箇所によっては全く実がついていない枝もあり、今後どうなるのか見守るしかありません。

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